ホーム › 漢詩一覧 › 黄鶴楼

こうかくろう黄鶴楼

崔顥|盛唐|七言律詩

昔人已乗白雲去
此地空余黄鶴楼
黄鶴一去不復返
白雲千載空悠悠
晴川歴歴漢陽樹
芳草萋萋鸚鵡洲
日暮郷関何処是
煙波江上使人愁
詩

※日本で一般に読まれている本文によります。

書き下し文

昔人せきじん 已すでに白雲はくうんに乗じょうじて去さり

此この地ち 空むなしく余あます黄鶴楼こうかくろう

黄鶴こうかく 一ひとたび去さりて復また返かえらず

白雲はくうん 千載せんざい 空むなしく悠悠ゆうゆう

晴川せいせん 歴歴れきれきたり漢陽かんようの樹き

芳草ほうそう 萋萋せいせいたり鸚鵡洲おうむしゅう

日暮にちぼ 郷関きょうかん 何いずれの処ところか是これなる

煙波えんぱ 江上こうじょう 人ひとをして愁うれへしむ

現代語訳

昔の仙人はすでに白雲に乗って去り、この地にはむなしく黄鶴楼だけが残る。黄鶴はひとたび去ってもう戻らず、白雲だけが千年の間ゆったりと漂う。晴れた川の向こうに漢陽の木々がくっきりと見え、鸚鵡洲には香しい草が茂っている。日は暮れたが、故郷はどちらの方角か。もやに煙る川面が、私を愁いに沈ませる。

原文と書き下し文の対照

昔人已乗白雲去 ― 昔人 已に白雲に乗じて去り
此地空余黄鶴楼 ― 此の地 空しく余す黄鶴楼
黄鶴一去不復返 ― 黄鶴 一たび去りて復た返らず
白雲千載空悠悠 ― 白雲 千載 空しく悠悠
晴川歴歴漢陽樹 ― 晴川 歴歴たり漢陽の樹
芳草萋萋鸚鵡洲 ― 芳草 萋萋たり鸚鵡洲
日暮郷関何処是 ― 日暮 郷関 何れの処か是なる
煙波江上使人愁 ― 煙波 江上 人をして愁へしむ

鑑賞

仙人伝説の悠久と、日暮れの旅愁。李白がこの詩を見て「目の前に景色があっても言葉にできない、崔顥の詩が上にある」と筆を置いたという逸話がありますが、これは後世の伝承です。

日本で親しまれる理由

李白が感嘆したという逸話で有名(逸話は伝承)

語句

昔人
仙人(費禕・子安などの伝説)
歴歴
はっきり見えるさま
萋萋
草が茂るさま
郷関
故郷

作者

崔顥の生涯と作品一覧は作者ページへ。

作られた背景

日本で読まれる『唐詩選』などは「乗白雲去」、中国の通行本は「乗黄鶴去」とすることが多い。

この詩から生まれた名前

あわせて読みたい