こうなんにてりきねんにあう江南逢李亀年
岐王宅裏尋常見
崔九堂前幾度聞
正是江南好風景
落花時節又逢君
崔九堂前幾度聞
正是江南好風景
落花時節又逢君
詩
※日本で一般に読まれている本文によります。
書き下し文
岐王の宅裏 尋常に見
崔九の堂前 幾度か聞く
正に是れ江南の好風景
落花の時節 又た君に逢ふ
現代語訳
岐王の屋敷ではいつもあなたを見かけ、崔九の広間の前では何度もあなたの歌を聞いたものだ。今はちょうど江南の美しい季節。花の散るこの時に、またあなたに会うとは。
原文と書き下し文の対照
岐王宅裏尋常見 ― 岐王の宅裏 尋常に見
崔九堂前幾度聞 ― 崔九の堂前 幾度か聞く
正是江南好風景 ― 正に是れ江南の好風景
落花時節又逢君 ― 落花の時節 又た君に逢ふ
鑑賞
華やかな都の日々を知る二人が、戦乱を経て南の地で再会する。「落花の時節」に、美しい春と過ぎ去った栄華への哀惜が重なります。
日本で親しまれる理由
「落花の時節又君に逢ふ」
語句
- 李亀年
- 玄宗に愛された宮廷の名歌手
- 岐王
- 玄宗の弟
- 崔九
- 殿中監の崔滌
作者
杜甫の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
大暦五年(770年)、杜甫最晩年の作とされる。