しょうち小池
泉眼無声惜細流
樹陰照水愛晴柔
小荷纔露尖尖角
早有蜻蜓立上頭
樹陰照水愛晴柔
小荷纔露尖尖角
早有蜻蜓立上頭
詩
※日本で一般に読まれている本文によります。
書き下し文
泉眼 声無くして細流を惜しみ
樹陰 水に照りて晴柔を愛す
小荷 纔かに露はす尖尖たる角
早に蜻蜓の上頭に立つ有り
現代語訳
湧き口は音もなく、細い流れを惜しむようにそっと水を出し、木陰は晴れた日のやわらかな光を愛するように水面に影を落とす。小さな蓮のつぼみが、とがった先をのぞかせたばかりなのに、もうとんぼがその上にとまっている。
原文と書き下し文の対照
泉眼無声惜細流 ― 泉眼 声無くして細流を惜しみ
樹陰照水愛晴柔 ― 樹陰 水に照りて晴柔を愛す
小荷纔露尖尖角 ― 小荷 纔かに露はす尖尖たる角
早有蜻蜓立上頭 ― 早に蜻蜓の上頭に立つ有り
鑑賞
小さな池の一瞬をスナップ写真のように切り取った、楊万里らしい軽やかな初夏の詩です。
日本で親しまれる理由
「小荷纔かに露す尖尖の角」
語句
- 泉眼
- 泉の湧き口
- 小荷
- 蓮の若葉、つぼみ
- 尖尖角
- とがった先
- 蜻蜓
- とんぼ
作者
楊万里の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
南宋の楊万里は、身近な自然を生き生きと詠む「誠斎体」で知られる。