そうしゅんすいぶちょうじゅうはちいんがいにていす早春呈水部張十八員外
天街小雨潤如酥
草色遥看近却無
最是一年春好処
絶勝煙柳満皇都
草色遥看近却無
最是一年春好処
絶勝煙柳満皇都
詩
※日本で一般に読まれている本文によります。
書き下し文
天街の小雨 潤ひて酥の如し
草色 遥かに看れども近くして却つて無し
最も是れ一年 春の好き処
絶えて勝る煙柳の皇都に満つるに
現代語訳
都の大通りに降る小雨は、乳製品のようにしっとりとなめらか。遠くから見ると草の緑が見えるのに、近づくとかえって見えない。これこそ一年で最も春らしい良いところ。柳がけむるように都じゅうを埋めつくす晩春よりも、ずっとすばらしい。
原文と書き下し文の対照
天街小雨潤如酥 ― 天街の小雨 潤ひて酥の如し
草色遥看近却無 ― 草色 遥かに看れども近くして却つて無し
最是一年春好処 ― 最も是れ一年 春の好き処
絶勝煙柳満皇都 ― 絶えて勝る煙柳の皇都に満つるに
鑑賞
「遠くからは見えるのに近くでは見えない」芽吹いたばかりの草の色。早春のかすかな気配を、繊細な観察でとらえた名句です。
日本で親しまれる理由
「草色遥かに看れば近く却って無し」
語句
- 天街
- 都の大通り
- 酥
- 牛や羊の乳から作る食品
- 煙柳
- もやに煙る柳
- 皇都
- 都
作者
韓愈の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
長慶三年(823年)ごろ、韓愈が友人の張籍(水部員外郎、排行十八)に贈った二首の第一首。