しゅうし秋詞
自古逢秋悲寂寥
我言秋日勝春朝
晴空一鶴排雲上
便引詩情到碧霄
我言秋日勝春朝
晴空一鶴排雲上
便引詩情到碧霄
詩
※日本で一般に読まれている本文によります。
書き下し文
古より秋に逢ひて寂寥を悲しむ
我は言ふ秋日は春朝に勝ると
晴空 一鶴 雲を排して上り
便ち詩情を引きて碧霄に到る
現代語訳
昔から人は秋になるとものさびしさを嘆く。だが私は言おう、秋の日は春の朝にまさると。晴れわたった空に一羽の鶴が雲を押し分けて舞い上がり、私の詩心を青空の高みへと導いていく。
原文と書き下し文の対照
自古逢秋悲寂寥 ― 古より秋に逢ひて寂寥を悲しむ
我言秋日勝春朝 ― 我は言ふ秋日は春朝に勝ると
晴空一鶴排雲上 ― 晴空 一鶴 雲を排して上り
便引詩情到碧霄 ― 便ち詩情を引きて碧霄に到る
鑑賞
「悲秋」という伝統をくつがえし、秋を爽やかで力強い季節として歌う逆転の発想。左遷中の作者の不屈の心が感じられます。
日本で親しまれる理由
秋を明るく詠む逆転の発想
語句
- 寂寥
- ものさびしさ
- 排雲
- 雲を押し分ける
- 碧霄
- 青空
作者
劉禹錫の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
劉禹錫が朗州司馬に左遷されていた時期の作とされる。二首連作の第一首。