せんをかしゅうにはくす泊船瓜洲
京口瓜洲一水間
鍾山只隔数重山
春風又緑江南岸
明月何時照我還
鍾山只隔数重山
春風又緑江南岸
明月何時照我還
詩
※日本で一般に読まれている本文によります。
書き下し文
京口 瓜洲 一水の間
鍾山 只だ隔つ数重の山
春風 又た緑にす江南の岸
明月 何れの時か我が還るを照らさん
現代語訳
京口と瓜洲は川ひとすじを隔てるだけ。鍾山のある我が家とも、いくつかの山を隔てるばかりだ。春風がまた江南の岸を緑に染めた。明るい月は、いつ私が帰るのを照らしてくれるのだろう。
原文と書き下し文の対照
京口瓜洲一水間 ― 京口 瓜洲 一水の間
鍾山只隔数重山 ― 鍾山 只だ隔つ数重の山
春風又緑江南岸 ― 春風 又た緑にす江南の岸
明月何時照我還 ― 明月 何れの時か我が還るを照らさん
鑑賞
「緑」を動詞として使った「春風又緑江南岸」は、王安石が「到」「過」「入」「満」など十数字を試した末に選んだという推敲の逸話で有名です(逸話は伝承)。
日本で親しまれる理由
「春風又緑なり江南の岸」。推敲の逸話
語句
- 京口
- いまの鎮江
- 瓜洲
- 長江北岸の渡し場
- 鍾山
- 南京の山。王安石の住まいがあった
- 緑
- 緑にする(動詞)
作者
王安石の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
王安石が宰相に再任されて都へ向かう途中、瓜洲に舟を泊めたときの作とされる。