けんとくこうにやどる宿建徳江
移舟泊煙渚
日暮客愁新
野曠天低樹
江清月近人
日暮客愁新
野曠天低樹
江清月近人
詩
※日本で一般に読まれている本文によります。
書き下し文
舟を移して煙渚に泊す
日暮れて客愁新たなり
野曠くして天 樹に低れ
江清くして月 人に近し
現代語訳
舟を動かし、もやの立ちこめる中州に泊まる。日が暮れて、旅の愁いがまた新たにわいてくる。野は広々として、空は木々よりも低く垂れこめ、川は澄みきって、水に映る月が私のすぐそばにある。
原文と書き下し文の対照
移舟泊煙渚 ― 舟を移して煙渚に泊す
日暮客愁新 ― 日暮れて客愁新たなり
野曠天低樹 ― 野曠くして天 樹に低れ
江清月近人 ― 江清くして月 人に近し
鑑賞
結びの二句は、広い野と低い空、澄んだ川と近い月の対比。孤独な旅人に寄りそうのは水面の月だけ、という静かな寂しさが漂います。
日本で親しまれる理由
「江清くして月人に近し」
語句
- 煙渚
- もやのかかった中州
- 客愁
- 旅の愁い
- 曠
- 広々としている
作者
孟浩然の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
建徳江は浙江省を流れる新安江の一部。孟浩然が呉越を旅したときの作。