ホーム › 漢詩一覧 › 登楽遊原

らくゆうげんにのぼる登楽遊原

李商隠|晩唐|五言絶句

向晩意不適
駆車登古原
夕陽無限好
只是近黄昏
詩

※日本で一般に読まれている本文によります。

書き下し文

晩ばんに向なんなんとして意い 適かなはず

車くるまを駆かりて古原こげんに登のぼる

夕陽せきよう 無限むげんに好よし

只ただ是これ黄昏こうこんに近ちかし

現代語訳

夕暮れが近づき、なんとなく気が晴れない。車を走らせて古い高原に登った。夕日はこの上なく美しい。ただ、もう黄昏が近いのだ。

原文と書き下し文の対照

向晩意不適 ― 晩に向んとして意 適はず
駆車登古原 ― 車を駆りて古原に登る
夕陽無限好 ― 夕陽 無限に好し
只是近黄昏 ― 只だ是れ黄昏に近し

鑑賞

「夕陽無限に好し」の讃嘆と「只だ是れ黄昏に近し」の哀感。美しいものほどはかないという感覚を、二十字に凝縮した晩唐の名作です。

日本で親しまれる理由

「夕陽無限に好し」

語句

向晩
夕方になろうとする
意不適
気持ちが晴れない
古原
楽遊原。長安東南の高台

作者

李商隠の生涯と作品一覧は作者ページへ。

作られた背景

楽遊原は長安の行楽地。この詩は晩唐という時代の黄昏を象徴するとも読まれる。

あわせて読みたい