しょうしんしゅ将進酒
君不見黄河之水天上来
奔流到海不復回
君不見高堂明鏡悲白髪
朝如青糸暮成雪
人生得意須尽歓
莫使金樽空対月
天生我材必有用
千金散尽還復来
※日本で一般に読まれている本文によります。長編のため、有名な部分を抜粋して掲載しています。
書き下し文
君見ずや黄河の水 天上より来たるを
奔流 海に到りて復た回らず
君見ずや高堂の明鏡 白髪を悲しむを
朝には青糸の如きも暮れには雪と成る
人生 意を得れば須らく歓を尽くすべし
金樽をして空しく月に対せしむること莫かれ
天の我が材を生ずる 必ず用有り
千金 散じ尽くせば還た復た来たる
現代語訳
見たまえ、黄河の水は天から流れ下り、海へ注いだら二度と戻らない。見たまえ、立派な屋敷の鏡の前で白髪を嘆く人を。朝には黒い絹糸のようだった髪が、夕べには雪のように白くなる。人生、思いのままになるときは存分に楽しもう。黄金の酒樽を、むなしく月に向けておくな。天が私という才能を生んだからには、必ず役に立つときがある。千金を使い果たしても、またいつか戻ってくる。
原文と書き下し文の対照
君不見黄河之水天上来 ― 君見ずや黄河の水 天上より来たるを
奔流到海不復回 ― 奔流 海に到りて復た回らず
君不見高堂明鏡悲白髪 ― 君見ずや高堂の明鏡 白髪を悲しむを
朝如青糸暮成雪 ― 朝には青糸の如きも暮れには雪と成る
人生得意須尽歓 ― 人生 意を得れば須らく歓を尽くすべし
莫使金樽空対月 ― 金樽をして空しく月に対せしむること莫かれ
天生我材必有用 ― 天の我が材を生ずる 必ず用有り
千金散尽還復来 ― 千金 散じ尽くせば還た復た来たる
鑑賞
時の流れのはかなさを嘆くかと思えば、一転して「天生我が材必ず用有り」と自らを鼓舞する。豪放さと哀しみが入りまじる、李白の飲酒詩の頂点です。(冒頭部分の抜粋)
日本で親しまれる理由
「天生我が材必ず用有り」。豪放な飲酒詩
語句
- 将進酒
- 「さあ酒を飲もう」という意の楽府題
- 青糸
- 黒髪のたとえ
- 金樽
- 黄金の酒樽
作者
李白の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
友人の岑勛・元丹丘と酒を酌み交わした席での作とされる。ここでは冒頭八句を掲載。